tomo ni yukashiki
森のトリドリミドリのご報告

報告が遅くなってしまいましたが、先日、

『森のトリドリミドリ〜春日山原始林を歩く〜

心地の良い晴天の下、無事に終了しました。
参加者の皆様、本当にお疲れさまでした。
今回の様子を続きでご報告です。

 

 

 

今回もガイドをして下さったのは、
巨樹巨木の案内人、酒井二郎さん。

総勢17名でのツアーとなりました。

コースも前回と同じで、
奈良春日野国際フォーラム 甍→春日大社、上の禰宜道→滝坂の道(登り)
→首切り地蔵(昼食)→南部遊歩道(下り)→高畑町で解散。

滝坂の道は、旧柳生街道の一部で、

江戸時代に敷かれたと言われている石畳の坂道。

荷車を押して人や物が往来していたようで、

そのせいか、石畳の両端が中央に比べ下がっています。

(写真では、なかなか伝わりづらい…)

首切り地蔵の前の休憩所。

このベンチの場所、以前は東屋だったのですが、

昨年、手前にあった大杉が突然倒木して、東屋を直撃。

老木だったことが原因の一つだそうです…

大杉と東屋が無くなってしまったので、日当たりの良い空間に。

 

昼食。

木陰で一列に並んで、ほのぼの遠足気分。

 

昼食の後は、酒井さんお手製の木の小物たちを前に、

みんなでじゃんけん大会です。

木工をされている酒井さん、木を削って作った

葉っぱやどんぐりのブローチやストラップまで!!!

年々、バリエーションが増えてパワーアップしています。

参加者の皆さんも喜んで頂けたご様子。

それを見て、酒井さんもご満悦でした(笑)

 

午後からは、

まず、首切り地蔵からすこし上がったところにある高山(こうせん)神社に。

水の神様をお祭りしています。

かつて興福寺東金堂の僧が担ぎ上げてきたといわれる石船があるのですが、

ガイドでお話を聞かなければ、どの様なものかもわからないまま、

ともすれば、気にも留めずに素通りしてしまっているでしょう。

無造作に放置されているのが、何だかもったいない。

 

途中途中で、

それぞれ気になったものを立ち止まっては観察したり調べたり。

今回は、『春日山原始林を未来へつなぐ会』の

スギヤマさんも同行してくださったり、

鳥に詳しい小野さんも参加して下さっていたので、

虫や花、鳥に蛇…あちらこちらで道草ばかり(笑)

 

この左右対称にちぎれた葉っぱはなんでしょう?

これは、ムササビのお食事あと。

上手に半分に折って食べるんですって。

奈良公園や春日大社付近にも落ちていたりするので、

探してみてくださいね。

 

そして、今回、本当によく見かけた倒木のあと。

2年前に歩いた時より、倒木は確実に増えて、

少し荒れている様に感じました。

ナラ枯れや鹿の食害、近年の異常気象など原因は様々。

それに、私たちも歩いているこの遊歩道を作ったことで、

根をしっかり張れなくなっている事も原因の一つ。

遊歩道を作った背景についても色々お話がありましたが、

本当に色々と考えさせられることばかりでした。

 

大木が倒れたあとには、空にぽっかり大きな空間ができます。

確かに前に比べ、少し陽のさすポイントが増えた様に…

太陽の光が入る足元には、

本来の鬱蒼とした照葉樹林の植生とは違う植物が育っているのです。

(さらに、鹿が食べない植物ばかり。

シダだったり、ワラビだったり。)

 

この写真に写っているまだ若くて細い木々。

ほとんどがナギという木。春日大社さんのご神木です。

この木は、本来の春日山原始林の植生には無く、

古くに献木(植樹)され、大切に守られてきました。

しかも、鹿も食べないので、どんどん増えています。

原始林は、いつの日かナギ林になってしまうのでは…

なんて思うほどでした。

 

そんなこんなの『森のトリドリミドリ』のツアー。

酒井さんのお話の引き出しが増えたことに加え、

道草、脱線も増えた結果、

予定よりも時間をオーバーしてのツアー終了。

しかし、何とか無事に終わることができました。

 

 

今回は、木や森のことはもちろん、

この森に関わる様々な歴史的背景も説明をして下さった酒井さん。

いつもながら、楽しく、気持ちの良い場所であることを感じると同時に、

昔も今も、時の権力者の都合で人の手が加えられ、

しかし、保全には力を注いでこなかった結果の危機的状況を

目の当たりにして、色々と感じ、考える事が多いツアーでした。

 

私たち自身、このことを心に留めて、私たちなりの方法で、

今後も身近なこの森と関わっていけたらと思っています。

 

今回ご参加いただいた皆さん、お疲れ様でした。

酒井さんのサポート役として同行して下さったスギヤマさん、

参加者の一人だったはずが、鳥のガイドとなった小野さん、

そして、

春日山原始林のことを色んな視点でガイドして下さった酒井さん、

本当にありがとうございました。

 

それから、ガイドの酒井さんが関わる、

春日山原始林を未来へつなぐ会』の活動のことも、

ぜひ、皆さんに知って頂けたら嬉しいなと思います。

 

森の木々の温もりを感じながら…

 

 


 

 

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