菊穴?
2017.10.09 Monday 16:07
それは、大きな蛾でした。
写真では、あまり伝わらないかもしれませんが…
幅が15cm位あったでしょうか。
「大きな蛾」で、画像検索をしてみると、
その正体は、なんと『ヤママユ』
『天蚕(テンサン)』とも言われています。
絹の原料を作ってくれる、カイコと同様に繭をつくる蛾。
カイコは、家畜化された家蚕ですが、
ヤママユは、野生の野蚕と呼ばれる仲間です。
もちろん、この野蚕の繭からも糸を取ることも出来ます。
左が『ウスタビガ』、右が『ヤママユ』の繭。
とても美しい、黄緑色。
ヤママユから取れる天蚕糸は、軽くて柔らかく、丈夫なんですって。
先日見た菊穴の持ち主は、
このヤママユの成虫の姿だったなんて、ビックリ。
(業界では、目玉模様と言うらしい…
しかし私には菊穴に見えて仕方がないのです(笑))
そんなこんなで、
蛾は、触れることはもちろん、見ることも
苦手だった私も、なんだか親近感が湧いてきて、
じっくり観察してしまいました。
そして、蚕のことが知りたくなった私たち。
色々調べていると、
成虫になった蚕は、口が退化しているため、食事が出来ず
幼虫期に蓄えた栄養のみで、生き、その寿命は1週間ほどだとか…
なので、その短い時間の間に子孫を残し生涯を終えるのだそうです。
ちょっぴり切なくなります。
そんなお蚕さんが、紡ぎだしてくれたシルク。
とても貴重で、ありがたいものであるということを
改めて感じることが出来ました。
私たち人間は、如何に自然と共に生き、
自然の恩恵を受けて生きているのかということ…
たくさんの気付きを与えてくれる自然に感謝です。
<日々のこと>